暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】



「一度様子が見たいわ。顔を見せてくれないかしら?」


私が治すことだって出来る。


だから一度どんな感じか見れたら良いんだけど………。


「申し訳ございません……。この様な姿お見苦しく見せすることは少し遠慮させて頂きたいです…」


「………そう」


出れないほどに衰弱しているのかしら…。


本当に大丈夫かな?


「わざわざ足を運んで下さったのに申し訳ありません」


「良いのよ、気にしないで。無理だけはしないでね?回復したら、また貴女の素敵な笑顔を見せて頂戴」


「お妃様……」


私の名を呟く、弱々しい声が中から聞こえてきたそんな気がした。


「……部屋へ戻りましょう」


「かしこまりました」


私は一緒に付いてきた使用人に宮殿に戻るよう声を掛けた。


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