暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】



「リリアンの家族関係に付いて他に何か知っていない?」


「そうですねぇ……。そう言えば少し前に話してくれたことがあるのですが、両親との仲はあまり宜しくないとのことで、家には極力帰りたく無いと言っておりました」

人の家庭内のことに口を出したい訳でないが………


「リリアンの名字はシェパードで宜しかったのよね?」


「えぇ。さようでございます」

シェパード家は確かこの国の名門貴族であり、持ち前の才能で色んな取引で名を轟かせている、現在波に乗った貴族だ。


リリアンがそんな凄い家柄でありながら、このように幼くにして宮殿で使用人として働くなど、普通の親なら反対の所、

普通に行かせたところを考えると、


確かに家庭内はかなり複雑なのかもしれない。

あの時、悲しそうに笑っているのも今考えればそうゆう事だったのかと、少し分かる気もする。



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