暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
リリアン・シェパード
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リリアン・シェパード。
それが私の名。
シェパード家は代々から受け継がれし名門貴族で、生まれたときから私達には過度な期待がかかっていた。
上に6つ離れた兄に、4つ離れた姉。そして私に、2つ下の妹。
私が10歳になる頃には兄は16歳で、中等部の学校で主席という何恥じない素晴らしい成績を残していた。
姉は音楽に長けており、ピアノコンクールでは常連となっていたが、それに対し私は何も取り柄がなく、いつも家族からは下に見られることがおおかった。
見返してやりたい。凄いと言わせたい。
…………頑張ったねって褒めて貰いたい。
私はある事を考え、小等部卒業後宮殿の使用人に試験を受けた。
両親は『頭の悪い子が宮殿の試験に受かるはずがない』と言った感じだったがそれ以上に、こんな出来損ないの娘を外に出せて清々した様子で、
その時、私は心の中で妃になってやると決めていた。
そしたら両親だって、兄弟だって、
凄いねって言ってくれそうな気がしたから、