暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
「ところであの男の処分は以下がなさいましょう?」
「…………」
アニが最後に余に言ったのは、あの者に酷い罰を与えないでくれと言うこと。
本来ならすぐ様死刑にしてしまいたいのだが、
「……死刑にはせぬ。我が国の奴隷として辺境の地にでも送れ」
「死刑にはしないのだな」
「……………あの者に頼まれたのだ。しないでくれと」
本当は直ぐにでも死刑にしてやりたい。
…だが、今はそうするべきではないと思ったまでだ。
もちろんあの罪を侵した者には普通の生活など出来ぬほどに働いてもらう。
そして、
「黒幕がシェパード家とはな………実に不愉快だ」
男が白状した名に、流石の余も驚かされた。
名門だと謳われる貴族が罪を犯すなどあってはならぬ事。
流石に向こうは罪を認める気はなさそうだし、それに匹敵するような証拠もない為、
追求も出来ないが、
取りあえず当分の間は、社交界の場に関しては自粛してもらった。