暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】



最近疲れていたのだろう、少し動いただけでも全然起きない。


私は椅子にかけられてあったタオルケットを手に取ると、風邪を引かないようにと陛下にかぶせた。


「メイドの頃はただ近づくこともない方だったのに、気づけばここまで近くなっている……」


それは陛下のことを少しながら知ることが出来たからそこ、そう感じるのかもしれないが


一つ思う事は、これ以上陛下に近づいてはだめだ。


ここに居てはいけない。


今回の出来事で私はそう思った。



例え不思議な力で戦いに発展しなくとも、私がここに居るだけでまた再びこのような事が起きるかもしれない。


大切な人がまた傷つくかもしれない



それは、私がここにいるばかりに。


同じ過ちが繰り返される前に、


私は……………………………戻らなくては。


ここにいていい人間じゃない。


戻れなくなる前に私はいつもの日常に戻るのだ。



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