暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
目覚めるまで私の手を握ってくれてた陛下。暗闇に届く暖かい声。
不器用ながらに優しい一面。
こんな感情を抱く前に離れたつもりだったけど、少し遅すぎたみたいで、会うだけでこんなにも心をかき乱される。
私は、陛下の事がやはり好きだ………。
何もかも隠さずに陛下と向き合いたかったけれど、私はそこに居てはいけない………………………。
「失礼致しました…」
そんな感情を必死に隠し、あえて平常心を装う。