暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
「よし!」
私はサニーを仰向けにして軽く息を整えた。
「………少しだけ使うぐらいなら」
右手を軽くサニーのおでこに触れると、意識をそこへ集中させる。
すると、丸い緑色の光が額を包む。
熱を少しだけ下げる程度ならそこまで体力は使わないし、深く眠りに落ちることもない。
____スゥ……。
ある程度治癒をし、再び額に手を当ててみると微熱程度に治っていた。
呼吸もだいぶ落ち着いてきているみたい。
「それにしても、回復していない体で少ししただけでも、体力って結構使うものなのね……」
少ししかしていないのに、フラッとする。
「取りあえずサニーさんを他の者と一緒に医務室へ運ばなくてはね」
一人で抱えることなどやはりできず、会議室の掃除をしていたアイルさんに頼んで一緒に運んでもらった。