暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】



それだと言うのにまたこうして陛下と話せている。


「……………誰がそう決めた?」


「…………え?」


「余は一言も居てはならぬと言った覚えばないが」


………確かに陛下はそんな事言っていない。

私が自ら居てはいけないと思ったから。


「リリアンが私をかばい重症を負いました。それは私がどこから来たのか分からぬ者だからです。これからもずっとあのままいたとして、同じ悲劇が繰り返されるだけなのです」


それなら身をもとの場所に戻した方が皆に迷惑をかけずにすむ。


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