暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
「何言ってるの!ちゃんと学校に行きなさい!!」
もちろん母はそんなグラントに怒る。
「アニ姉がせっかく帰ってきたんだ。どうせ1人でいても暇だろうし、一緒にいてやるんだよ。それに俺がいると安心だろ?(笑)」
無邪気な笑顔を見せニッと笑ってみせる。
確かグラントは学校の中でも特に武術が秀でていると、以前母の口から聞いたことがある気がする。
年に一度学校の中で行われる武術トーナメント戦で、1500人の在校生の中から優勝を勝ち取ったらしい。
そんなグラントが隣りに居てくれるのは、私的にもとても助かる話だ。
「お母さん。私からもお願いするわ」
最後の一声で母は、私を守ることを条件に渋々だが承諾してくれた。