暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
「リリアンは何歳なの?見た感じ幼く見えるけれど……?」
「見たまんまですよ(笑)私は14歳です!」
(14歳………………やっぱりまだ幼いわね。私がこの宮殿に使用人として入ったのが13歳の頃だから、それに次ぐぐらい)
基本、宮殿には13歳から使用人として働けるようになっており、その為には親の承認証がいる。
孤児は働けないが、親のいる子なら全員受験資格はある訳だけど…………
この子は何でこの若さで親元から離れ、宮殿で使用人として入ったのだろう。
ふとそんな事を不思議に思った。
(私ならともかく、この子はそんな境遇には見えない。でも何かしらの理由がなきゃこんな所には来ないはずだし……………)
「どうされました?」
「え……っ?あ…………」
おかしな顔をしていたのだろうか。リリアンは不思議そうに私を見てきた。
「えっと……貴女は何故、使用人して働こうと思ったの?その歳なら学校だって行けるだろうに…………」
この町に学校が無いわけでもない。というか、ここは宮殿のある町だからもちろん発展しており、多数の学校が存在する。
中には宮殿で就職する為のスクールだってあるわけだし……………。
不思議で仕方ない。