暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
「やはり変…………ですか?」
無反応だったから変だと勘違いしたリリアンは、シュン………とした顔で私を見てきた。
「へ、変じゃないよ!!」
咄嗟に言ってしまったそんな言葉。
(一瞬リリアンが捨てられた子犬みたいな顔をしてたんだもん…………)
変ではないけど、そこまでして妃になりたがる皆の気持ちが分からない。
やはり玉の輿になりたいのか。
それとも、妃という権力が欲しいのか。
(この子はその様には見えないけどな……)
どちらかというと、ピュアで純粋な感じ。