暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】




そういう事もあって、周りはもちろん、その部署で働くメイドさえもその部署に就く者のことを『特別な存在』や、『選ばれし者』などと言っているが………………正直そう言うのは個人的に止めてほしいものだ。



「………………取りあえず私は違う仕事をしなければなりませんので、そちらの方に向かいますね」


先程アイルさんが仰った言葉の返事をはぐらかすように、私はその場から立ち去ると、先程まで使用されていた会議室の掃除へと向かった。


____コンコンコン。


「メイドのセレファーナでござます。会議室の掃除へと参りました。失礼致します」

____ガチャ……。


中に人が居ようが居まいが、一言何か言葉をかけて部屋の中に入るのがメイドの基本。


ノックも決して忘れてはならない。


(……………お昼休みの時間だからか、流石に会議室に残ってる人はいないみたいね)


水に塗らしたタオルを右手に持ち、乾いたタオルを左手に持った私は、適当に机から掃除を開始した。


それが終わると次に椅子…………………そして、窓へと順番に掃除を進めていく。


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