暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
今日は取り敢えず外に出掛けることがメインだからそこまで気にしないんだけどね。
「じゃあ、お願いしていい?町へ行くだけだから」
「かしこまりました。連絡を入れますので少々お待ち下さい」
自由に動けないってのが少しアレだけど…………宮殿の中でジッとしてるよりはマシよね。
「連絡完了致しました。これでいつでも外出可能です」
数分かからずに、連絡は完了した。
宮殿用の格好では目立ち過ぎ、かえって危険に晒さねかねないということで、それでも少し派手であるが、きらびやかなワンピースに着替えさせられた。
全体的に茶色メインではあるが、所々に白のフリルが着けられ、そこがまたオシャレで可愛い。
ブーツも茶色で揃えられているようだ。
まるでどこかの貴族のような格好で、自分でないような感じがする。
(まぁ…………使用人達は私の事をどこかの貴族だと思っているからなのかもしれないけれど)