白き桜と黒き神
序章
サァ────
風に煽られふわりと靡く美しい白い髪
憎悪と嫌悪で彩られた紅い瞳が月夜に煌めく
その冷めた表情を浮かべる顔は息を呑む程に整っている。
その“少年”は男の子にしては華奢で小柄だった。
その“少年”の傍らにそっと寄り添う、白髪の少年と年はそう変わらないであろう黒髪の少年。
その少年は白髪の少年とは全てが対照的だった。
さらさらと風に靡くは漆黒の髪。
その瞳に浮かぶのは白髪の少年への思慕と尊敬の色が煌めく
その整った顔に浮かべるのは冷めた表情ではなく、穏やかで優しく、白髪の少年を慈しむものだった
体格も白髪の少年とは違い、細身ではあるもののしっかりと筋肉がつき、身長も180過ぎはあるだろう
その少年2人と対面するのは5人の少年
その瞳には動揺を宿している。
──『さぁ、復讐劇の始まりだ…せいぜい俺を楽しませてくれよ…?』
白髪の少年はニヤリと顔を歪め
闇へと消えた