白き桜と黒き神
悠馬side


その時、俺は息を呑んだ。


怜治も…桜雨も…笑っていたから…


それはそれは…楽しそうに


オモチャを与えられた子供みたいに無邪気に


恐ろしかった。


その眼に浮かぶ憎しみも底の見えない闇も


呑まれてしまいそうで


そんな俺に桜雨は聞いたんだ


『悠馬はどちら側の人間なの?』

って…


無邪気に微笑んで…聞いたんだ


俺と桜雨は小さい頃から仲が良かった。


いや、正確には


桜雨の兄貴…柊雨(しゅう)と仲が良かったんだ


その頃の桜雨はよく笑ってた


今みたいに
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