白き桜と黒き神

悠｢…んじゃ、お前らの担任呼ぶからちょっと待ってろー。｣


先程までの張り詰めた空気はそんな悠馬の一声に破られた


『…呼ぶって言っても、どうせアイツなんでしょう？』


悠｢ははっ、よくわかったなー｣


彼が無駄に明るく見せているのはわかった


私に恐怖を抱いているのをバレたくないと思っていることも


わかった上で私は気付かないフリをした


｢…桜雨…｣


怜治は少しだけ悲しげな声で私の名前を呟くけど、私はちっとも傷付いてなんかいない


元々、悠馬を信用なんてしてないんだから


『……』


肩にそっと添えられた大きくて骨張った手に私は頭をもたれかける


怜治は何も言わずに少しだけ手に力を込めた