白き桜と黒き神
雅「あー、そろそろ行くか」


雅也のその一言で私はソファーから立ち上がり、怜治の差し出す手に自らの手を重ねる


悠「相変わらず…だな。…お前達の“救済”は」


その言葉に僅かに視線を流しはするが答えることはせずそのまま背を向ける


分かりきった事を言うのね。


私達の救済は…人が考えるよりも複雑でドロドロで…抜け出す事なんて出来ないの


まぁ、抜け出したいなんて…思わないんだけど。


「行こ…桜雨。」


ふわりと私にだけ向けられる柔らかい微笑みに、微笑みを返すと私達は雅也と共に理事長室を出る


私も怜治も、知らなかったの。


悠馬が、あんな事を呟いてたなんて







悠「…お前達は…“あの日”のままだな。何も変わらない。いや、何も変えたくない…か。…アイツらとの事で…殻を破れると良いんだがな…」

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