白き桜と黒き神
その後の私達は教室の前につくまで無言だった。


階段を上がり、しばらく進むと見えたプレートには2Sと書かれていた


ここか。…ここに、アイツらが。


背中をぞくりと言いようのない快感が走った


きっと、怜治も。


「…はぁっ…」


あぁ、やっぱり。怜治も嬉しいんだね?楽しみで仕方がないんだね?


怜治の零した吐息には、抑えきらない愉悦が含まれていた。


きっと私達の顔には今、恍惚とした表情が浮かんでいるんだろうな


『…怜治。私…狂ってしまいそうだわ。』


「…桜雨。僕もだよ。僕も狂いそうだ」


狂ってしまいそう?違う。…私達は元から狂っていた。


けど、狂う…その言葉以外に、この愉悦を表現する言葉が見つからないの。


復讐相手が目の前にいる。


にも関わらず、憎い、気持ち悪い、気分が悪いそう言った感情は微塵もなく…嬉しい、楽しい、心地よいと言った感情が私達の心を占める


可笑しいよね


知ってる。それは…あの日からずーっと…言われてきたんだもの
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