彼は私の全てだった
やさしい悪魔
それからシュウは時々部屋に来た。

カラダが疼いた時だけ私に逢いに来た。

私はそんなシュウを抱きしめた。

その時だけはシュウに愛されてる気がしたが
終わればシュウは元の冷たいシュウに戻った。

優しいシュウに逢えるなら
私はその身体をシュウに捧げる。

「お前って簡単な女だよな。

こんな女だって知らなかった。」

シュウはそんな憎まれ口をたたく。

私は何にも言わずに服を着る。

「仕事行くから自分の部屋に帰って。」

「あー、お前は早番かぁ。

鍵、後で返すからもう少し寝かせて。」

私が部屋を出てってシュウは私の部屋で何をしてるんだろう?

見られて困るものが一つだけある。

それはシュウと撮った写真を未だに大切にアルバムにして持ってることだ。

机の中までは見ないだろうと思った。

遅番のシュウが来て
私の部屋の鍵を黙って私の制服のポケットに入れた。

私たちは何事も無かったように仕事をして
時間が来て私は部屋に戻った。

ゴミ箱にアルバムが捨てられていた。

シュウは私の机を開けてこれを見たのだ。

私は泣きながらゴミ箱からそれを拾って
また綺麗に貼り直して机に戻した。

眠ってると酔ったシュウが部屋に来た。

「お前、まだ俺が好きなの?

俺、もう何とも思ってない。

お前はただの欲求のはけ口。」

私はシュウの頬を叩いこうとした。

シュウがその腕を掴んで
壁に押し付けるとキスをした。

嫌がっても顎を掴んで無理矢理キスを繰り返した。

「バーカ、本気になるなよ。」

シュウはそう言って私の脚を開いた。


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