彼は私の全てだった
中村さんと次に会うのはいつなんだろうと考えると
少し不安になった。
「柿沢さん、あっちの注文聞いてきて。」
シュウに不機嫌な顔で言われて我に帰る。
「あ、すいません。」
「何ボーッとしてんの?
男の事でも考えてた?」
ホントの事だったから反論出来なかった。
私は黙って注文を取りに行った。
ランチの時間が過ぎて店内が少し空いて来た頃、
中村さんが店にやってきた。
私たちは目を合わせお互い微笑んだ。
ふと視線を感じて横を見るとシュウが私を見ていた。
慌てて目を逸らすと
「やっぱそういうことか。」
と意味深な言葉を投げつけてきた。
私はシュウに何のリアクションもせず
マネージャーに
「休憩入ります。」
と言って休憩室へ向かう。
なぜか胸が苦しくてたまらない。
シュウを忘れるつもりで始めた恋なのに
シュウには中村さんとの事を知られたくなかった。
中村さんが休憩室にいる私に逢いにきた。
「顔色悪いな。
さっき小泉くんに何か言われてたろ?」
「なんか…バレちゃったみたいです。」
「そっか。
でも別に悪い事してる訳じゃないでしょ?
お互い独身なんだし…
ウチの会社は職場恋愛を禁じてる訳でもないし。」
そうだけど…中村さんは私とシュウの関係を知らない。
私がしばらくシュウの身体だけの相手をしてたことも
私がそれを望んでしてたことも
中村さんに知られたら終わりだと思った。
その夜、私はシュウに逢いに行った。
「私たちのこと中村さんに言わないで。」
そう言おうと思って部屋を訪ねた。
シュウはドアの前にいる私の手を引っぱって
部屋に入れた。
「何?抱かれに来たの?
アイツじゃ物足りない?」
相変わらず意地悪でセクシーだ。
「そうじゃなくて…言わないで。
中村さんに私たちの事…黙ってて。」
私はシュウにきっとひどい事されると思った。
だけどシュウは
「本気なんだな。」
と言った。
そして私にとって最も辛い答えが返って来た。
「言うかよ。
そんな事言ってお前とアイツの仲壊すとでも思った?
俺にとってお前なんかもうどうでもいい存在だって
まだわかってねぇの?」
そうだった。
私が誰と付き合おうと関係ないくらい
私はもうシュウにとって取るに足らない存在だった。
私はそんなことに今更気がついて
そしてその言葉で立ち直れないくらい傷ついてしまうほど
まだシュウが好きだった。
少し不安になった。
「柿沢さん、あっちの注文聞いてきて。」
シュウに不機嫌な顔で言われて我に帰る。
「あ、すいません。」
「何ボーッとしてんの?
男の事でも考えてた?」
ホントの事だったから反論出来なかった。
私は黙って注文を取りに行った。
ランチの時間が過ぎて店内が少し空いて来た頃、
中村さんが店にやってきた。
私たちは目を合わせお互い微笑んだ。
ふと視線を感じて横を見るとシュウが私を見ていた。
慌てて目を逸らすと
「やっぱそういうことか。」
と意味深な言葉を投げつけてきた。
私はシュウに何のリアクションもせず
マネージャーに
「休憩入ります。」
と言って休憩室へ向かう。
なぜか胸が苦しくてたまらない。
シュウを忘れるつもりで始めた恋なのに
シュウには中村さんとの事を知られたくなかった。
中村さんが休憩室にいる私に逢いにきた。
「顔色悪いな。
さっき小泉くんに何か言われてたろ?」
「なんか…バレちゃったみたいです。」
「そっか。
でも別に悪い事してる訳じゃないでしょ?
お互い独身なんだし…
ウチの会社は職場恋愛を禁じてる訳でもないし。」
そうだけど…中村さんは私とシュウの関係を知らない。
私がしばらくシュウの身体だけの相手をしてたことも
私がそれを望んでしてたことも
中村さんに知られたら終わりだと思った。
その夜、私はシュウに逢いに行った。
「私たちのこと中村さんに言わないで。」
そう言おうと思って部屋を訪ねた。
シュウはドアの前にいる私の手を引っぱって
部屋に入れた。
「何?抱かれに来たの?
アイツじゃ物足りない?」
相変わらず意地悪でセクシーだ。
「そうじゃなくて…言わないで。
中村さんに私たちの事…黙ってて。」
私はシュウにきっとひどい事されると思った。
だけどシュウは
「本気なんだな。」
と言った。
そして私にとって最も辛い答えが返って来た。
「言うかよ。
そんな事言ってお前とアイツの仲壊すとでも思った?
俺にとってお前なんかもうどうでもいい存在だって
まだわかってねぇの?」
そうだった。
私が誰と付き合おうと関係ないくらい
私はもうシュウにとって取るに足らない存在だった。
私はそんなことに今更気がついて
そしてその言葉で立ち直れないくらい傷ついてしまうほど
まだシュウが好きだった。