彼は私の全てだった

シュウと私が付き合うことになって
私は交際範囲が増えた。

シュウはサッカー部で私はマネージャーになった。

サッカー部の人がたちと仲良くなれたし、
一緒にマネージャーをすることになった三崎さんという女の子とかなり仲良くなれた。

三崎さんもサッカー部の柏木くんと言う男の子と付き合ってて
私たちは4人で遊園地に行ったり、映画を観に行ったりした。

私を目の敵にしてた女の子たちは
私がシュウの彼女になってからは一目置かれ、
シュウのことを諦めたようで何も言わなくなった。

毎日が楽しくて、シュウと会うとドキドキした。

私たちはどんどんお互いを知りたくなって
ほとんどの時間を一緒に過ごした。

「クリスマスイブなんだけど…

どこか行かない？」

シュウに誘われて、2人で映画を見て近くのファミリーレストランで食事をした。

その時初めて食べたオニオングラタンスープは今でも私の大好物だ。

レストランの帰りにシュウが部屋に私を誘った。

シュウのお母さんはクラブに勤めてて
深夜まで居なかった。

シュウにはお父さんがいなかった。

シュウはお父さんの話はしなかったし、
離婚したのか、父親の存在を知らないのか
お父さんに会うことがあるのかも
何も話さず、私はそれには触れてはいけない気がして
何も聞かなかった。

そして私たちは初めての経験をした。

シュウは優しくて、少しだけ怖かった。

私たちはその後、何回か抱き合って
繋がるたびに幸せになった。

だけどそんな日は長く続かなくて
シュウは少しずつ無口になった。