彼は私の全てだった
春休みが近づく頃、
シュウが何も言わずに学校を休んだ。

最近のシュウは少し様子がおかしくて
二人で会ってもシュウは私の身体を求めるだけだった。

「シュウ…たまにはどっか行きたいな。

最近全然デートしてないよね?」

シュウは黙ったままで
私はそんなシュウに腹を立てた。

「どうして何にも言わないの?

私はシュウの何?

シュウとHするだけの為に会ってるみたい。」

シュウはそんな私に優しい言葉の1つもくれなかった。

「お前、変わったな。」

「変わったのはシュウだよ?わかってないの?」

「嫌なら嫌だって言えよ。」

「そうじゃないよ。そうじゃないけど…」

私は泣いて何も言えなくなった。

シュウはそんな私に

「面倒くせぇな。」

と言った。

それでもシュウが優しく頭を撫でてくれたから
私はそれに安心した。

シュウはその2日後から学校に来なくなった。

何度連絡しても繋がらなかった。

そして春休みがやってきた。

私はシュウに逢えないまま春休みを過ごした。

そして新学期が始まって私たちは高校2年生になった。

やっとシュウに逢えると思ったのに
シュウの姿はどこにも無かった。

そして突然、シュウが転校したことを知った。

シュウの電話は既に解約されていた。

私に何も言わず、シュウは突然姿を消した。



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