彼は私の全てだった
出会いと再会
それからの私はシュウの消息がわからないまま
高校を卒業し、
受験をして何とか合格した大学に通った。
大学生になってもずっとシュウを忘れられなかった。
男の子に告白されたりもしたけど
結局誰とも付き合えなかった。
そうしてるうちに就職活動が始まり
やっとの思いで内定をもらい、
大学を無事4年で卒業した。
そしてシュウを失ってから6年が過ぎた。
あの頃の記憶はすこしずつ薄れてきて
シュウを思い出す回数も減ったけれど
相変わらず私の心の中にシュウはいる。
私は大手のレストランチェーンの会社に就職した。
入社式でざっと見たところだいたい50人くらいの新入社員がいた、
私たちは3月から研修を経てそれぞれの店舗に配属される。
毎年最初は多くの社員が入るが
3年の間にこの中から多くの人が転職するようだ。
転勤が多く、土日休みもなく
残業も多いこの仕事に
やりがいを見つけられない人は3年も待たずに居なくなるそうだ。
この中で何人が残るのだろうか?
その時、私は気がついた。
遠目からでもすぐわかった。
あれはシュウだ。
ずっと逢いたかったあの小泉柊だ。
一目見てすぐにそう思ったが、なぜかしっくり来ない。
昔のシュウとはかけ離れている。
格好良さは健在だが、
シュウの顔からはあの笑顔は消え、
なんとなく冷たい感じがした。
彼のI.D.カードを確認したがやはり名前は小泉柊だった。
シュウは私に気がつかないのか、
全然関心がないのか…全く目が合わなかった。
思い切って研修後に声をかけてみた。
「あの…小泉柊さんですよね?」
シュウは私をみて言った。
「そうだけど…柿沢ミチルさん…」
シュウも私に気がついていた。
「あ、え?やっぱりシュウだよね?」
私が笑顔を見せてシュウと呼ぶとシュウは冷たく言った。
「で?何?柿沢さん。」
「え?」
私は返す言葉が見つからなかった。
「あ…あの…」
「特に用が無ければ急いでるから。」
私は呆気にとられて
空いた口が塞がらないままだ。
シュウが背を向けて去っていく姿を見て
慌てて追いかけた。
「あ、あの…シュウ、少し話せないかな?」
「悪いんだけど昔のこととか話すんだったら勘弁して欲しいんだけど…
今、付き合ってる女もいるし、昔の事はあんまり思い出したくないんだ。
そんな感傷に浸るほどの付き合いでも無かったでしょ?」
ショックだった。
私はずっとシュウを想ってて
シュウは初めての人で、私はシュウしか知らないのに…。
その後は声をかけられなかった。
自分の中のシュウが壊れていくのが耐えられなかった。
高校を卒業し、
受験をして何とか合格した大学に通った。
大学生になってもずっとシュウを忘れられなかった。
男の子に告白されたりもしたけど
結局誰とも付き合えなかった。
そうしてるうちに就職活動が始まり
やっとの思いで内定をもらい、
大学を無事4年で卒業した。
そしてシュウを失ってから6年が過ぎた。
あの頃の記憶はすこしずつ薄れてきて
シュウを思い出す回数も減ったけれど
相変わらず私の心の中にシュウはいる。
私は大手のレストランチェーンの会社に就職した。
入社式でざっと見たところだいたい50人くらいの新入社員がいた、
私たちは3月から研修を経てそれぞれの店舗に配属される。
毎年最初は多くの社員が入るが
3年の間にこの中から多くの人が転職するようだ。
転勤が多く、土日休みもなく
残業も多いこの仕事に
やりがいを見つけられない人は3年も待たずに居なくなるそうだ。
この中で何人が残るのだろうか?
その時、私は気がついた。
遠目からでもすぐわかった。
あれはシュウだ。
ずっと逢いたかったあの小泉柊だ。
一目見てすぐにそう思ったが、なぜかしっくり来ない。
昔のシュウとはかけ離れている。
格好良さは健在だが、
シュウの顔からはあの笑顔は消え、
なんとなく冷たい感じがした。
彼のI.D.カードを確認したがやはり名前は小泉柊だった。
シュウは私に気がつかないのか、
全然関心がないのか…全く目が合わなかった。
思い切って研修後に声をかけてみた。
「あの…小泉柊さんですよね?」
シュウは私をみて言った。
「そうだけど…柿沢ミチルさん…」
シュウも私に気がついていた。
「あ、え?やっぱりシュウだよね?」
私が笑顔を見せてシュウと呼ぶとシュウは冷たく言った。
「で?何?柿沢さん。」
「え?」
私は返す言葉が見つからなかった。
「あ…あの…」
「特に用が無ければ急いでるから。」
私は呆気にとられて
空いた口が塞がらないままだ。
シュウが背を向けて去っていく姿を見て
慌てて追いかけた。
「あ、あの…シュウ、少し話せないかな?」
「悪いんだけど昔のこととか話すんだったら勘弁して欲しいんだけど…
今、付き合ってる女もいるし、昔の事はあんまり思い出したくないんだ。
そんな感傷に浸るほどの付き合いでも無かったでしょ?」
ショックだった。
私はずっとシュウを想ってて
シュウは初めての人で、私はシュウしか知らないのに…。
その後は声をかけられなかった。
自分の中のシュウが壊れていくのが耐えられなかった。