仁科くん、君ってやつは
は
「望月」
「えっ、あ、酒井くん、おはよう」
3月12日の朝、学校の玄関にて。
いつも通り上履きに履き替えていると、ポンと酒井くんに肩を叩かれた。
ビックリして一瞬息止まるかと思った……。
そんな私に、彼は「おはよ!」なんて、眩しい笑顔を向ける。
……カッコいいなぁ。
「あのさ、ホワイトデーのお返しなんだけど、」
「え?」
「14日って、日曜だろ?俺ちょうど部活ないし、良かったら出かけない?」
「え」
酒井くんの言葉に、パチパチと瞬きを繰り返す。
日曜に、出かける?
私が、酒井くんと?2人で?
何それ、そんなの、
「うん、行くっ」
嬉しすぎる。