仁科くん、君ってやつは
思えば仁科くんは、いつも私の邪魔ばかりしてた。
酒井くんと話をしている時も、『望月さん、先生が呼んでたよ』なんて言って話に入ってきたし、
職員室に行けば先生はそんなこと言った覚えはないって言うし。
グラウンドで部活をしている酒井くんを放課後見てたら、
いきなりカーテン閉めて私のカバンを持って帰ろうとしたし。
仁科くんは私の後ろの席だけど、本当ならあそこは酒井くんが来るはずだったのに、
いつの間にか席を交換してた。
「ねぇ、お願い。行くな」
1ヶ月前のバレンタインの時だって、酒井くんのために作ったチョコ、食べようとしてたし、
まぁそれは全力で阻止したんだけど。
『見た目悪いし、ラッピングのセンスないし、他の子のほうが断然美味しそうだし、もう渡すのやめたら?』
とか、言ってきたっけ。