仁科くん、君ってやつは
ぶわぁぁっと、顔に熱が集まる。
仁科くん、君は一体何をしてるの。
「行かないって言うまで、やめないから」
「ちょっ、と……っ、」
唇が離れたかと思えば、それは一瞬の出来事で。
またすぐに塞がれて、息を整える暇さえ与えてくれない。
角度を変えて、何度も、何度も、深く口付けをされて。
「……っ、は」
ついに全身の力が抜けて、ズルズルとしゃがみこんでしまった。
なんで、どうして。
とか、もうそんなのはいい。どうでもいい。
キッと仁科くんを睨む。
ショックで泣きそうだけど、絶対コイツの前でなんか泣かない。
「……強情」