仁科くん、君ってやつは


「昨日なんで来なかったんだよ。"みんなで"待ってたのに」


「え……」


「あ、もしかして俺と2人っきりだと思った?

もっとちゃんと説明すれば良かったな」





ごめんな、なんて、そう謝る酒井くんは、いつもの酒井くんじゃなかった。


意地悪な、仁科くんそっくり。




……私は、察しが良いほうだから。






「……ううん、ちょっと体調が良くなくて。せっかく誘ってくれたのに、ごめんね」






遊ばれたのだと、すぐに気づいた。









< 21 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop