仁科くん、君ってやつは
改めて、遊ばれてたなぁ、と実感すると、また涙が出そうになる。
……いったいいつから、酒井くんは私で遊んでたんだろう。
あ、ヤバい。
泣きそう。
じんわりと、涙があふれた瞬間。
「えっ」
ガラッと、仁科くんが教室へと入った。
ギョッとしてる酒井くん達がここからでも見えた。
「……な、なんだ、仁科か。ビックリさせるなよ」
「ごめん、話の邪魔して」
ニコッと、笑顔を見せた仁科くんに、酒井くんは少し安心したみたいだった。
でも、次の瞬間。
「……っ……!!?」
酒井くんを思いっきり拳で殴った仁科くんに、目を丸くする。