仁科くん、君ってやつは
「…….そういえば、」
「なに?」
「仁科くん、前にも放課後残ってたよね」
酒井くんを呼び出そうと書いた手紙を、この人に見られた時。
あの時も、なぜか仁科くんは遅くまで学校に残ってた。
「あぁ、望月さんがクソ酒井に告白しようとしてた時?」
「クソ酒井って……小学生じゃあるまいし」
はぁ、とため息をつきながらもシャーペンを走らせる。
「……じゃあ、俺がなに言っても驚かないでよ」
「ちょっと、急になに?」
「あと、絶対、俺のことも見るな」
「……いいけど」
なんだろう。
そういう風に言われると、ちょっと気になる。
1限目から6限目までの今日の時間割を書きながら、仁科くんの言葉を待った。