仁科くん、君ってやつは
「望月さんと同じ理由」
「え?」
「ある人に告白しようとしてて、ずっと靴箱で待ってた」
そうか。
だから、あんなところにいたんだ。
……それにしても、女子達から人気の仁科くんに好きな人がいたとは。
ビックリだよ。
「まぁ、結局告白しなかったんだけど」
「そうなんだ」
……ちょっと待って。
ということは、仁科くんは、好きな人いるくせに私にキスしてきたってことだよね。
私に意地悪をしたいからって、あんなに体張る?
ある意味すごいよ、それ。
「なんでやめちゃったの?」
「その相手も、誰かに告白しようとしてたから」
「……なんか、ごめん」
これ、ずっと聞いてていいのかな。
仁科くんの傷をえぐることになるんじゃ……。