仁科くん、君ってやつは
『つか、──ってよく見たら結構美人じゃね?
ちょっと遊んでやろうかな』
仁科くんが言うには、その最低な人はこんなことを言ってたみたい。
女の子の名前を伏せてだけど、私にも教えてくれた。
「たまたま、それ聞いてさ。でもこんなの、本人に言えるわけねーじゃん」
「そうだね」
「こんなに俺が悩んでることをその子は知らずに、ずっとソイツばっか見てて。すげーイライラした」
「うん」
"みんな今日も真面目に授業に取り組んでいました。残り少ないこのクラスでの学校生活を楽しみたいと思います。"
私は、当たり障りのないことを書いていく。
「ねぇ、仁科くんが好きになったのは、どんな子?」