ふたりの彼女と、この出来事。
(新版)
次の日の昼前。
遅れて実験室の扉を開けた。
と、正面に広海君が神妙な面持ちで立っているじゃないか。
「ごめんなさいっ」
急に頭を深く下げる広海君。
「え?」
どうしたことだろう。
いきなり広海君が謝ってくるなんて。
と、広海君が伏目がちに口を開いてきた。
「…ミライさんの事、わかってたハズなのに」
「え?」
何を言ってるんだ?
「病気だってわかってたのに、私あの日、自分が楽しいコト優先させて、夜遅くまで付き合わせちゃって…。食べられないほど重い病気なのに。髪の毛だって違ってるのに。その事知ってて私…。先生が一緒に住んで面倒を見てあげてるぐらいなのに…」
ずっと俯き加減の広海君。
どうやら自分が夜遅くまで遊びに付き合わせたせいで倒れたと、すっかり思い込んでるみたいだ。
道理で大人しくなるワケだよ。
(…でも、その方が話が上手く進みそうだゾ)
よ~し。ここは広海君の思い込みをそのまま利用させてもらおう。
「今回は僕も悪かったんだ。だから広海君も、これから気を付けてくれればいいからさ」
一度ミライに目配せしてから答える。
と、広海君がキュッと肩を竦めた。
「うんわかった。…ミライさん、体の方は大丈夫?」
「うん。もう平気だから」
「何か困った事があったら言ってね。相談に乗るから。これからも一緒に頑張っていきましょう」
「うん。ありがとう」
手を取って打ち解けあう二人。
よかった。
(これで丸く収まりそうだな)
思惑通り、この時からミライと広海君の関係も上手く行って、すべてが順調に回り始めたのだった。
遅れて実験室の扉を開けた。
と、正面に広海君が神妙な面持ちで立っているじゃないか。
「ごめんなさいっ」
急に頭を深く下げる広海君。
「え?」
どうしたことだろう。
いきなり広海君が謝ってくるなんて。
と、広海君が伏目がちに口を開いてきた。
「…ミライさんの事、わかってたハズなのに」
「え?」
何を言ってるんだ?
「病気だってわかってたのに、私あの日、自分が楽しいコト優先させて、夜遅くまで付き合わせちゃって…。食べられないほど重い病気なのに。髪の毛だって違ってるのに。その事知ってて私…。先生が一緒に住んで面倒を見てあげてるぐらいなのに…」
ずっと俯き加減の広海君。
どうやら自分が夜遅くまで遊びに付き合わせたせいで倒れたと、すっかり思い込んでるみたいだ。
道理で大人しくなるワケだよ。
(…でも、その方が話が上手く進みそうだゾ)
よ~し。ここは広海君の思い込みをそのまま利用させてもらおう。
「今回は僕も悪かったんだ。だから広海君も、これから気を付けてくれればいいからさ」
一度ミライに目配せしてから答える。
と、広海君がキュッと肩を竦めた。
「うんわかった。…ミライさん、体の方は大丈夫?」
「うん。もう平気だから」
「何か困った事があったら言ってね。相談に乗るから。これからも一緒に頑張っていきましょう」
「うん。ありがとう」
手を取って打ち解けあう二人。
よかった。
(これで丸く収まりそうだな)
思惑通り、この時からミライと広海君の関係も上手く行って、すべてが順調に回り始めたのだった。