ふたりの彼女と、この出来事。
(新版)
研究室
所長が、階段を上ってすぐ横にある両開きの鉄製のドアに手を掛けて開け放った。
「さあ着きました。ここですよ」
構える所長の横を通り抜けて中へ入ると、体育館のような吹抜けの研究室があった。
広い床は腰の高さの棚で田の字に四つに分かれている。
パッと目に付いたのは、正面奥の円柱状の背の高い骨組み。
そこに、まるで未来から送り込まれた殺人ロボットみたいな、無骨な骨格のロボットが立っていた。
「研究ってのは、ロボットですか?!」
だったらなんで?
「なんでそんな研究所が僕と共同研究を?」
どう考えたって筋違いでしょ!?
と、所長がすかさず笑って返してきた。
「ロボットの人工知能に組込みたいんですよ。人間の行動やしぐさを『ロボットの側が』どう分析して対処するかってプログラムをね。その為にあなたの研究から出来る限りの『人間の行動データ』を頂きたい、とまあそういう訳ですよ」
なるほどぉ。
そういう事ならアリかも知れませんね。
僕は今まで通りの研究を続けていれば良さそうだし。
良かった良かった。
これで少しは肩の力が抜けそうだ。
(にしても、スゴイな)
7、8人ほどの研究員が取り囲んで忙しく動き回っている中に、台座に立つロボットがいる。
がっちりした体格の骨格におどろおどろしい頭蓋骨そっくりの頭部が載っていて、瞳のカメラがギラッと輝いている。
かなり格闘能力がありそうな…。
ムムム。
一体これ、何に使う気だ?!
まさか軍事用じゃあるまいな?
動き回ってる研究員たちはいたって普通に見えるけど。
「…ミライもこれに関わってるワケ?」
隣に立つミライに声を掛けた。
「うん」
素直に微笑んで返してくるミライ。
そうか。
そうだよな。
こんな彼女も一緒にやってるなら、悪い事じゃないよな。
日本の、それも大学の研究室で怪しいものに手を出すワケないじゃないか。
「さあ着きました。ここですよ」
構える所長の横を通り抜けて中へ入ると、体育館のような吹抜けの研究室があった。
広い床は腰の高さの棚で田の字に四つに分かれている。
パッと目に付いたのは、正面奥の円柱状の背の高い骨組み。
そこに、まるで未来から送り込まれた殺人ロボットみたいな、無骨な骨格のロボットが立っていた。
「研究ってのは、ロボットですか?!」
だったらなんで?
「なんでそんな研究所が僕と共同研究を?」
どう考えたって筋違いでしょ!?
と、所長がすかさず笑って返してきた。
「ロボットの人工知能に組込みたいんですよ。人間の行動やしぐさを『ロボットの側が』どう分析して対処するかってプログラムをね。その為にあなたの研究から出来る限りの『人間の行動データ』を頂きたい、とまあそういう訳ですよ」
なるほどぉ。
そういう事ならアリかも知れませんね。
僕は今まで通りの研究を続けていれば良さそうだし。
良かった良かった。
これで少しは肩の力が抜けそうだ。
(にしても、スゴイな)
7、8人ほどの研究員が取り囲んで忙しく動き回っている中に、台座に立つロボットがいる。
がっちりした体格の骨格におどろおどろしい頭蓋骨そっくりの頭部が載っていて、瞳のカメラがギラッと輝いている。
かなり格闘能力がありそうな…。
ムムム。
一体これ、何に使う気だ?!
まさか軍事用じゃあるまいな?
動き回ってる研究員たちはいたって普通に見えるけど。
「…ミライもこれに関わってるワケ?」
隣に立つミライに声を掛けた。
「うん」
素直に微笑んで返してくるミライ。
そうか。
そうだよな。
こんな彼女も一緒にやってるなら、悪い事じゃないよな。
日本の、それも大学の研究室で怪しいものに手を出すワケないじゃないか。