ふたりの彼女と、この出来事。
(新版)
三人で研究所
研究所に着くと真っ直ぐ控え室に通された。
ガラス壁で仕切られた研究室の中には既に二号機の姿は無く、研究員たちの姿もない。
どこにいったんだろう。
まるでモヌケの殻だよ。
「スゴイ装置ばっかりね。それに天井も高くて広いし」
ガラスに手と顔をくっ付けて物珍しそうに研究室を見渡す広海君。
「我が研究室へようこそ。ゆっくりしてってよ。はいこれコーヒー。インスタントだけどね」
相変わらずのインスタントを手渡して椅子に腰掛ける所長。
「あの、ここっていつもこんなに静かなんですか?」
広海君がカップを持ったまま尋ねた。
確かに今日の静けさは気になるよな。
「いやいや、研究が一区切りついたから、今みんな夏休みを取ってるんだ。このところ働き詰めだったから長めにね」
手を左右に長ーく開いてみせる所長。
(なるほどそれでか)
どうやらそれは本当っぽい。
「ねぇ、ミライさんはここで何してたの?」
振り向いて問い掛けた広海君に、ミライが笑顔で返した。
「私はプログラムとデータ処理ばっかり。今とあまり変わらないかも」
と実験室から持ってきたDVD-ROMを取り出して見せるミライ。
「あ、悪いけどそれ電算室に持っていってよ。本田君が待ってるからさ」
カップを持った手で指し示す所長。
「はい所長」
素直に立ち上がるミライ。
と、広海君がパッと腰を浮かした。
「私も一緒にいい?」
えっ?!
「うん。こっち」
ええっ?!
あっという間にミライが広海君を引き連れて出て行く。
こっちから声を掛ける暇もない。
いいのか?
ガラス壁で仕切られた研究室の中には既に二号機の姿は無く、研究員たちの姿もない。
どこにいったんだろう。
まるでモヌケの殻だよ。
「スゴイ装置ばっかりね。それに天井も高くて広いし」
ガラスに手と顔をくっ付けて物珍しそうに研究室を見渡す広海君。
「我が研究室へようこそ。ゆっくりしてってよ。はいこれコーヒー。インスタントだけどね」
相変わらずのインスタントを手渡して椅子に腰掛ける所長。
「あの、ここっていつもこんなに静かなんですか?」
広海君がカップを持ったまま尋ねた。
確かに今日の静けさは気になるよな。
「いやいや、研究が一区切りついたから、今みんな夏休みを取ってるんだ。このところ働き詰めだったから長めにね」
手を左右に長ーく開いてみせる所長。
(なるほどそれでか)
どうやらそれは本当っぽい。
「ねぇ、ミライさんはここで何してたの?」
振り向いて問い掛けた広海君に、ミライが笑顔で返した。
「私はプログラムとデータ処理ばっかり。今とあまり変わらないかも」
と実験室から持ってきたDVD-ROMを取り出して見せるミライ。
「あ、悪いけどそれ電算室に持っていってよ。本田君が待ってるからさ」
カップを持った手で指し示す所長。
「はい所長」
素直に立ち上がるミライ。
と、広海君がパッと腰を浮かした。
「私も一緒にいい?」
えっ?!
「うん。こっち」
ええっ?!
あっという間にミライが広海君を引き連れて出て行く。
こっちから声を掛ける暇もない。
いいのか?