ふたりの彼女と、この出来事。
(新版)
「所長、いつかバレるなら、ミライの正体を今のうちに正直に話しちゃダメですか?」
そのほうがお互いキズが浅くて済みそうですよ。
「そんな事はないよ」
ハイ?
何ですって所長?
話がかみ合ってませんけど?
「バレるなんて、ボクは思ってないよ」
まじまじと見つめてくる所長。
そう来ますか。
「いやでも、嘘をつき続けるのが正直、」
ちょっと辛くなって来たんですけど。
とハッと息を吐く所長。
「何言ってるんだい、嘘をついてるんじゃないよ。条件付けをしてるんだよ。人が隣にいる存在を人じゃないと疑う時はどんな時か、そんな歴史上たった一度きりの貴重な、重要な、またとない実験の条件付けをね」
グッと身を乗り出してくる所長。
「ほかの誰でもない、君に任された、いや、君に託された唯一無二の貴重なこの実験を、みすみす自分から壊してしまうつもりかい?」
「いえ、…」
気付いたら首を振ってた。
なんだろうね。
(この人の、『人のおだて方』のウマさは神業だナ)
思わずノセられちゃうよ。
「まぁボクはね、バレる事なく無事にこの実験が終わるんだって自信があるけどね。とにかくさ、ミライたちが戻ってくるのをゆっくり待とうよ」
ニッコリと背もたれに身体を預けてカップを口に運ぶ所長。
「わかりました」
頷いて返す。
そうだよ。
無事に終われば問題ないんだ。
その為に、もうちょっと頑張ってみようかな。
そのほうがお互いキズが浅くて済みそうですよ。
「そんな事はないよ」
ハイ?
何ですって所長?
話がかみ合ってませんけど?
「バレるなんて、ボクは思ってないよ」
まじまじと見つめてくる所長。
そう来ますか。
「いやでも、嘘をつき続けるのが正直、」
ちょっと辛くなって来たんですけど。
とハッと息を吐く所長。
「何言ってるんだい、嘘をついてるんじゃないよ。条件付けをしてるんだよ。人が隣にいる存在を人じゃないと疑う時はどんな時か、そんな歴史上たった一度きりの貴重な、重要な、またとない実験の条件付けをね」
グッと身を乗り出してくる所長。
「ほかの誰でもない、君に任された、いや、君に託された唯一無二の貴重なこの実験を、みすみす自分から壊してしまうつもりかい?」
「いえ、…」
気付いたら首を振ってた。
なんだろうね。
(この人の、『人のおだて方』のウマさは神業だナ)
思わずノセられちゃうよ。
「まぁボクはね、バレる事なく無事にこの実験が終わるんだって自信があるけどね。とにかくさ、ミライたちが戻ってくるのをゆっくり待とうよ」
ニッコリと背もたれに身体を預けてカップを口に運ぶ所長。
「わかりました」
頷いて返す。
そうだよ。
無事に終われば問題ないんだ。
その為に、もうちょっと頑張ってみようかな。