ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
 週明けの月曜日。

所長が僕の実験室にミライを迎えにやってきた。

「やあ、元気か~い?」

明るく入ってくる所長。

どこでも変わらないんだなこの人は。

「元気でぇ~す♪」

乗っかって明るく答える広海君。

「おお、今日は前にも増して一段と可愛いネ~ッ」

「やだ、所長さんったらホントの事ばっかりぃ~♪」

って、いつの間に打ち解けてるんだよ。

「それじゃあ、ミライ行こうか」

えっ、いきなり?

「えっもう行くの?来たばっかりなのに?」

僕より先に広海君が尋ねてる。

「悪いね。早く一緒にチェックしたいプログラムがあってね」

プログラム、ね。

「明日丸々一日は欲しいから、あさってになるかな、戻ってくるのは。それまで二人で宜しく頼むよ」

とすると、あさってまで広海君と二人か。

ドキドキするな…。

「しばらくは毎週こんなパターンになると思うけど、ヨロシクね。じゃあ、行こうかミライ」

所長がミライを連れて、バタバタと足早に出て行く。

その慌しい余韻を断ち切るのように、ドアがバタンと閉まる。

「ねぇ、なんだかソワソワしてなかった?所長さん」

うん、きっとミライを、

「早くチェックしたくて堪らなかったんだろうな」

再起動して初めてのチェックだからね。

「…ねぇ、先生もそう?」

広海君が首を傾げてくる。
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