ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
 大学の前期試験が始まった。

この時期、僕は採点に追われる事になる。

(面倒なんだよな~)

問題の半分は記述式なので、一枚一枚目を通して模範解答と擦り合わせていかないといけないのが悩みのタネ。

「先生、私もやってみたい」

と、ミライが声を掛けて来るじゃないか。

「え、採点を?」

「うん。やってみたい」

頷いて返してきてるよ。

(出来るのか…)

ん~。

どのくらい文章の読解力があるんだろう。

試すには良い機会かもな。

「じゃあ、コピーを取って一枚やってみてよ」

答案を一枚と模範解答を手渡した。

さあてどうなるか興味津々。

隣で広海君もじっと見守ってる。

そんな中、ミライが採点し始めた。

「うんうん」

前半の穴埋め問題は正解と合わせるだけなので簡単。

問題は後半だ。
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