ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
 校舎前の大広場。

手作りの看板や装飾に彩られたテントが立ち並んで、大勢の若者たちが歓声を上げてる。

焼きそばや焼き鳥を焼く煙があちらこちらから立ち昇って、発電機の乾いたエンジン音がガーッと響き渡ってくる。

マッタク騒々しいったらありゃしないね。

「賑わってるわね~」

「年に一度のお祭りだからね」

すでにデキ上がってる感じに頬を赤らめた学生たちもいて、ミライが離れないようにシッカリと腕を取ってついて来ていた。

ま、前を行くクワンたちはもっとベッタリくっ付いて歩いてるけど。

「私好きよこういう雰囲気。どこかお店に入りましょうよ」

興味津々のクワン。

そうだね。

せっかくだから、舌でもこのお祭りを楽しもうか。

とりあえずテントの一つに入って、焼き鳥やおでんをつまみながらお酒を味わった。
< 194 / 321 >

この作品をシェア

pagetop