ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
 夜の八時をまわって出店の営業が終了を迎えた。

外はすっかり秋風が吹いていて、祭の余韻の残る夜空の下を、バラバラと人が帰り始めてる。

「これからどうするんだい、クワンたちは」

ちょっと酔っ払ってるクワンに尋ねた。

「もう研究所に帰るつもりよ」

ねっ、とロイに振り向くクワン。

頷いて返したロイが、そのままクワンの唇にチュッとキスをしてる。

「じゃ、じゃあ、気をつけて」

相変わらずラブラブだね。

「楽しかったわ。ありがとう」

クワンがじゃあねと笑顔で手を振ってる。

すぐロイと寄り添い合い、振り返って歩き始めて、

そのまま、周りをゾロゾロと歩いて帰る人込みの中へと紛れて行った。
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