ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
「ねぇ、横になって話さない?」

奥の布団にうつ伏せに潜り込む広海君。

真似してミライもうつ伏せで潜り込んでる。

「ねぇ、この際だからお互い呼び捨てで呼ばない?私の事ヒロって呼んでいいから」

そういえば、ミライは年上って事になってたっけ。

と、ミライがコクンと頷いて答えた。

「うんわかった、ヒロ♪」

「ありがと、ミライ☆」

微笑み合う二人。

なんだか楽しそうでいいよな…。

「ねぇ、ミライってプログラムはわかるの?」

と、枕元に置いたテキストを手に取って尋ねる広海君。

コイツはまたラクしようと考えてるな?

そう上手くはいかないって。

と、ミライが首をスッと縦に振った。

「うんわかる」

あれ、そうなのか?

「ホント?」

「うん。だって私プログラムで動いてるのよ」

あっそうか。

自己学習プログラムで、自分でプログラムを修正しながら動いてるんだもんな。

「ねぇじゃあこれ、どうしてこうなるの?」

広海君がテキストをミライに差し出した。

「あ、これはここがANDだから、…」

と、布団に潜り込んだまま楽しそうに肩を寄せ合わせて、熱心に勉強会を始める二人。

僕が入り込む余地なんて無さそうだよ。

こんな調子じゃ、仲直りは遠そうだなぁ…。
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