ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
「私こんな性格だから、ずっといるとイヤになる時もあると思う。でもそんな時は、ミライに癒してもらって、私から離れないでずっと傍にいてもらいたいの。ね」

そう言って僕の腕を取って寄り添うように身を寄せてくる。

(そうか)

ミライと一緒にいれば、もしケンカしても別れる所までは行かずに済むって事か。

「私がおばさんになっても、おばあさんになっても、ミライが一緒ならきっと仲良く暮らしていけるわ。ミライは私たちの大事なパートナー。ね♪」

微笑んでミライの手を取る広海君。

「うん。二人に子供が生まれても、二人に介護が必要になっても、お世話は私に任せてね♪」

手を取り返して微笑むミライ。

「なるほど」

家事や育児、介護もミライに任せられて、僕らはいつまでも二人の時間を大事に出来る。

もし二人がケンカしても、ミライが仲を取り持ってくれる。

ミライが、僕ら二人の楔《くさび》になってくれるんだ。

「これからの新しい夫婦のカタチ、かもしれないな」

新しい、『みらい』の形がそこにあるんだ。

「そう。欲を言うならね、ロイも一緒なら良かったんだけど、まだそれはダメみたい。でも三人でもいいと思わない?」

広海君が微笑みかけてくる。

「ああ」

これから三人で一緒に、新しい『みらい』を創っていこう。

「よかった」

微笑み合う広海君とミライ。

「ねぇ、一つだけいい?」

と、広海君がパッと僕の腕を掴んできた。

「私と何かあった時にミライのトコロに行くのはいいけど、もし他の女に浮気なんてしたら、」

と目を合わせて、広海君とミライが声を揃える。

「絶対許さないからネッ☆」

グッと胸を押し出して迫ってくるよ。

「ハハッ、わかったよ」

二人にこんなに迫られたら、他に浮気する気なんて起こらないって。

(楽しみだな…)

近い将来、ロボットが当たり前に僕らの周りにいる、そんな時代がやってくる。

その時一体『みらい』は、どんな姿を僕らに見せてくれるのだろう…。
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