ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
「な、なんだよ、変な笑い方して」

ドキッとするから止めろって。

「せっかくだからぁ、みんなで何か食べに行きませんかぁ?もちろん先生のオゴリ!」

って、最後の一言は何だよ。

「歓迎会しよ、ミライさんの歓迎会!」

ん、まあ、そういう事なら、

「…あっ、」

そうだった。ミライは食べられないんだよ。

「それがさ広海君、」

と言いかけた僕をさえぎって、教授が口を開いてきた。

「ミライ君は難病を抱えていてな、固形物を飲み込むことが出来ないんだよ」

「えっそうなの?!」

聞いた広海君が驚いてる。

「うん」

コクンと頷くミライ。

「そうなんだ。全然そういう風には見えなかったから…」

シュンとなる広海君。

さすがに教授と本人の言葉には信用力があるみたいだ。

(僕が言ったら、)

おごる気がないから言い訳してる!って噛み付かれてるよ、きっと。

「だから食べ物を口にすることは出来ないが、少しならお酒は飲めると聞いている」

えっ?

教授、ナニを言い出すんですか?!
< 41 / 321 >

この作品をシェア

pagetop