ふたりの彼女と、この出来事。 (新版)
「でもでも、ウソみた~いこんな事♪」

「だけど、愛があれば出来るのかもよ」

「いいよなぁー。俺も一度でいいから、こんなシチュエーションで言われてみたいよなぁ」

「えー、アタシに同じ様に投げろって言うのぉ?」

「ジョーダンだって、ジョーダン」

「ヨッシーの愛じゃ一生ムリじゃない?」

「あ~ヒッドーイ!」

ハハハと笑いが沸き起こる。

「もう1ゲームいける?」

「うんうん。やろうよ」

「じゃあいくね」

広海君がタッチパネルの『次のゲーム』のボタンに触れた。

「あたしちょっとトイレ」

「俺ボール替えて来よう」

「ねえジュース飲む?買ってくるけど」

「あ、一緒に行く」

みんながそれぞれ散ばって、ミライと二人だけになった。

(フ~)

予想外のミライのセリフに、どうやら無事にこの場は収まったみたいだ。

「…ミライ、次は僕と全部同じじゃなくていいよ。100点ぐらいの程々のスコアでいいからさ」

耳打ちするようにミライに告げる。

「うん、わかった。愛も程々に、ってコトね」

ってキュッと首を竦めてる。

(フフッ、ウマイじゃないか)

微笑むミライを見つめた。

こんな気の利いた返し方、出来るんだな。

(なんだか、イイかも…)

やがてみんなが戻ってきて、次のゲームを楽しくやり終えた。
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