私だけの天使
「血、漏れてるよ」

ふと目をやると、短パンの裾から血が漏れている。突然の生理が始まったのだ。

体育館内は一度騒然となった。

「あー、やっちゃった」

私はそう言い、男の先生に目で合図してトイレに行くことにした。

気がつけば男子のバスケの方も試合が止まっていて、皆の目が私の下半身に集中している。

すると駆けてくる翳が見えた。

「さやか」

それは他の誰でもない、橘先輩だった。
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