~白の恋人~
○白の3月14日

3月14日

翌朝、まだ朝早い時間に澪が目覚めると龍はまだ寝ていた。
腕枕されている頭を少し動かし、龍の顔を見上げる。

普段の毒舌なやり取り、たまに見せる優しい顔、笑った顔、意地悪に笑う顔、抱く時に愛しそうに名前を呼ぶ声、無防備な寝顔。

(・・・好きだな。)

まだ起きない龍にそっと抱きつく。


「・・・誘ってんの?」
「起きたの!?」
「お前が裸で抱き着いてくるから起きた。」
「ご、ごめん。」
「いや、いい目覚めだった。」

そう言って龍は口付ける。
それは深くなっていき、龍の手は澪の胸に伸びている。
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