~白の恋人~

「ははっ。澪が男の人を連れて来る日が来るなんてな。

・・・小さい頃から、私の父、澪の祖父の影響で武道や武術ばかりでね。そこら辺の男の子よりは強かったよ。
妻に似て自分の娘だが、割と美人だろ?
寄ってくる男も多かったが、澪は見向きもせず、刑事になることを目標にひたすら頑張っていた。
男に負ける、守って貰うなんて考え、娘には無かったみたいでね。」

そう話す澪の父の表情はとても優しかった。

「1年ほど前に華ちゃんと一緒に特別チームに選ばれたと嬉しそうに報告してきたよ。嫌なムカつくクソ男と一緒だと愚痴っていた。」

澪の父は笑って話すが、龍は苦笑いを浮かべる。

「去年のクリスマス前だったかな。

・・・澪が泣きながら電話してきたんだよ。
・・・クソ男だと思ってたのに好きになってたって。
守って貰ったって。
居なくなったらどうしようって。」

「・・・え?」

初めて聞くあの時の澪の気持ち。
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