【短】きっと明日も、君のことが好きだから。
家に帰っても、勉強する気は起きなくて、ベッドの上でゴロゴロする。
(……テスト、終わってて良かったなぁ)
もしも今テスト期間だったら、集中できなくて点数が悪すぎになりそうだ、と思った。
もうすぐ受験生になるから、もっと頑張らなくちゃいけないけど。
(もう、何もやる気、ないよ)
お気に入りのぬいぐるみをきつく抱きしめて、顔をうずめる。
私は涙の止め方を知らないから、流れる生ぬるい雫は、どんどんシーツにしみを作っていく。
……どれくらい、そうしていただろうか。
もしかしたら、寝ていたのかもしれない。
「笑花ーっ、お客さんよー!」
私を呼ぶお母さんの声で、ハッと我に返った私は、あわてて時計を見る。
(六時、だ……お客さんって、誰だろ)
不思議に思いながらも、急いで鏡の前に立って、髪を整える。
顔にあとがついていないことを確認して、私は玄関へと向かった。