【短】きっと明日も、君のことが好きだから。



そんなの、無理だってわかってる。

叶わないってことも、ちゃんと受け止めてる。

それでも、やっぱり。


「……っわ、私ね。快くんに恋して、見ているだけで幸せで、快くんが笑ってると私も笑顔になれた」


__好きだから。

直接お返事をもらっても、あきらめられそうにない。

そんな自分に気づいて、ちょっぴり、驚いた。


「こんな、気持ちを教えてくれてっ……ありがとう、快くん……っ」


「っ……」


涙があふれそうになるのを必死にこらえて、顔を上げて、快くんの目をしっかり見つめて、精いっぱい笑った。


(目、合わせられたよっ……うれしい)


こんな奇跡、きっともう、二度と起こらない。

そう思って、私は快くんの瞳をもう一度、見つめる。


(心臓が、ばくばくいってる……うるさいな)


伝えたいことを、今、伝えたい。


「わ、私っ……!」


言えなかったら、後悔する。

ずっと、モヤモヤしたまんまになる。

だから、ちゃんと。


「まだ、あきらめられなくてっ……快くんのことが、まだ、好きで…っ」


「っ、」


「えと、だ、だからっ……あきらめれる、その日まで」


私の、今の気持ちを。


「……快くんのこと、好きでいても、いいですか?」


(今だって、まだ、こんなに好きなんだもん。……快くんへの想いも、消えてくれない)


「私は、きっと明日も、快くんのことが好きだからっ……!」


だから、この恋は……終わらせない。

片想いで終わるかもしれない。いつか、消えてしまうのかもしれない。

でも。

私は君のことが、すき。

たった、それだけ。

だから。

前を向こう。


「ありがとう……快くん」


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