【短】きっと明日も、君のことが好きだから。
午前の授業を終え、今は給食の準備中。
(当番、だっけ? 急がないと)
少し小走りになりながら、水道に向かう。
でも、この時間の廊下は混んでいて、みんな楽しそうにおしゃべりをしてるから、なかなか進めない。
「快、トイレ行こーぜっ」
「あ、おれ当番だし、今はいいや」
「……お前、真面目だな」
――とくん、とくん。
教室から出てきた、数名の男子。
そして、その中心にいる、快くん。
彼は、明るくて、フレンドリーで、優しくて……みんなの人気者。
(給食当番、一緒なんだ)
これだけで、うれしい、なんて。
私……やばいかも。
――ドンッ
「あっ……」
「っ、ごめん、平気?」
ぼーっとしていたら、誰かにぶつかってしまったらしい。
あわてて顔を上げると、
(えっ、わ、わ! か、快くん、だ…っ)
心配そうな瞳の、快くんがいた。
「だ、大丈夫です!」
「そう? なら良かった」
ふっと微笑んだ快くん。
(背、高い…! こんな近くで笑顔は、す、すごいよっ)