【短】きっと明日も、君のことが好きだから。



「えっと……なに、かな?」


「あ、あの…っ」


な、なんだっけ。

快くんを前にしたら、なんて言おうとしてたか、忘れちゃったよ。


(どうしよう、なんて、言えば…!)


快くんが、待ってくれてる。

早く、なにか言わないと。


(あ……)


ふと、思った。

そんなに、深く考えないでいいのかもしれない。

だって、私が使えたいことは、たったひとつ。


「……好きです」


「え」


ただ、それだけなんだから。


(って……私、今、声出してた!?)


「えっ…と、え?」


「っ……」


快くんの反応からして、私はきっと、声に出していたんだ。

『好き』と、伝えたんだ。

それを自覚したとたん、顔から火が出たみたいに、あつくなった。



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